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映画「ブーリン家の姉妹」国王も宗教も変えた魔性の女 ※ネタバレ

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大好きな女優、ナタリー・ポートマン主演作品
正直ハッピーエンドではないのですが
ラストの締めくくりはかっこいいです
この映画を機に、イギリス王朝時代にのめり込みました
人間模様が面白いです

 

Overview -概要-

原題:The Other Boleyn Girl(2008)
アメリカ・イギリスの合作のヒューマンドラマ、伝記映画。
原作はフィリッパ・グレゴリーの同名小説で、2003年にもBBCにてテレビ版が製作されている。

舞台は16世紀のイギリス。ブーリン家の2人の姉妹、アンとメアリーは、法廷での地位を向上させるために、野心的な家族に駆り立てられ、イングランドヘンリー8世を誘惑。 娘たちは、家族の財産を増やすチャンスとして王の心をつかみ、やがて生き続けるための致命的なライバルとなっていくーー。

THE OTHER BOLEYN GIRL | Sony Pictures Entertainment


Watch the Trailer for The Other Boleyn Girl -- in ...

 

Story -ネタバレあり-

Main Character
姉アン(ナタリー・ポートマン
妹メアリー(スカーレット・ヨハンソン
弟ジョージ(ジム・スタージェス
父トーマス(マーク・ライランス
叔父ノーフォーク公(デヴィッド・モリッシー
英国王ヘンリー8世エリック・バナ
王妃キャサリン・オブ・アラゴンアナ・トレント
ウィリアム(ベネディクト・カンバーバッチ
パーシー(オリヴァー・コールマン)
スタフォード(エディ・レッドメイン

16世紀イギリス。ブーリン家に美しく仲の良い姉妹アンとメアリーがいた。父トーマスは姉妹を嫁がせて富を得ようと企み、妹のメアリーは田舎でウィリアムと結婚する。決められた結婚ではあったが、ふたりは幸せな家庭を築こうと約束する。

一方宮廷では、王妃キャサリンに世継ぎである男児が生まれず、王との関係が悪化しつつあった。トーマスと叔父のノーフォーク公は、勝気な娘アンを王の愛人にさせようと計画する。狩りのため王が屋敷に滞在する機会に厚くもてなし、計画は順調と思われたが、翌日王と狩りに出たアンは無理に鹿を追ってしまい、王が落馬してしまう。怪我を負った王の誇りは傷ついてしまうのだった。そんな彼を優しく看病したのはメアリーだった。アンとは違い控えめなメアリーは王に気に入られ、侍女として宮廷に呼ばれる。アンと夫のウィリアムはショックを受け、家族は宮廷で仕えることになる。

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突如宮廷に現れたふたりの美しい姉妹に、王妃の心は落ち着かない。夜メアリーは王にベッドに誘われるが、想いの他優しい彼に心を奪われるのだった。父と叔父は男児が生まれればと、更に強欲になる。一方アンは貴族のパーシーと恋に落ち、密かにふたりで結婚し一夜を共にする。しかし彼には婚約者がいたため、世間の評判を気にする父と叔父は激怒し、パーシーは元さやに戻り、アンはフランスの宮廷に追放されてしまう。告げ口したメアリーをアンは恨むのだった。また、弟ジョージも苦手な女性と政略結婚させられる。

終にメアリーは妊娠し、王は喜ぶが、彼女は子供が生まれるまで安静のため隔離される。その間、他の貴族達が王に近寄ろうとしたため、父と叔父は、王の気を惹くためにアンを帰国させるのだった。

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戻ってきたアンは洗練され知的で魅力的な女性に成長、王は一瞬で彼女に夢中になってしまう。度々プレゼントを贈りアンの気を引こうとするが、一切応えようとしない彼女に苛立ち始める。アンは、自分を手に入れたいなら、メアリーとの関係を断つように言うのだった。直後、メアリーは男児を出産するが、王はそれを無視し、彼女は絶望のなか子供を連れて田舎に帰るのだった。しかしアンの野望は止まらず、そそのかされた王は王妃を修道院へと追いやり、それでも満足しないアンは、王妃との結婚解消を求め、自分と再婚するようせまるのだった。しかしアンとパーシーの事件が密告され、王は信用できるメアリーに真実を仰ぐ。メアリーは姉との和解の印として嘘をつき、彼女に味方するのだった。結婚問題は裁判となりローマ教皇に認められず、ヘンリー8世は新たに国王が長である「英国国教会」をつくり、アンと結婚するのだった。

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アンは野望を叶え王妃となるが、彼女のために無理をしてきた王の愛は冷めはじめ、メアリーとは違い愛情のない行為となる。アンは妊娠・出産するが、それは女児で、王は「次は男児を頼むぞ」と冷たく去っていくのだった。アンと王の関係は悪化していき、彼女は流産してしまう。二度目の流産でもう次がないと恐れた彼女は、弟のジョージに肉体関係を頼むが、ふたりはどうしてもできなかった。しかしその密会をジョージの妻が告げ口し、ふたりは近親相姦の罪で捕まり裁判にかけられてしまう。事件を知ったメアリーは、田舎から宮廷にかけつけ、王に「私の分身である姉を救ってください」と頼みこむ。王はメアリーに約束するが、結局ふたりは処刑されてしまうのだった。

2年後、トーマスは不名誉のうちに亡くなり、ノーフォーク公は家族もろとも処刑される。メアリーは宮廷で働いていたスタフォードと結婚して、田舎で幸せに暮らす。

ヘンリー8世の死後、イギリスは1人の継承者により黄金時代を迎える。それは、アンが遺した赤毛の娘エリザベス1世だった。

The Other Boleyn Girl - The Other Boleyn Girl Image (5112084) - fanpop

 

Opinion -個人的な感想-

悲劇の女王 ナタリー・ポートマン
王に襲われるシーンも、流産してしまうシーンも、最後の処刑シーンも、圧巻の演技です!
そして王を虜にしてしまうほどの美貌
彼女以外にアンを演じられる人はいないでしょう(キーラ・ナイトレイも近しい)

メアリーも、スカーレット・ヨハンソンが適役
黒髪のアンとは対象的に、ブロンドヘアーで女性らしいカーヴィボディで、柔らかく優しい印象
画家フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の映画で、絵画のモデルとされる使用人役の時もそうでしたが、スッピンだと純粋無垢で美しい女性役がピッタリです

怪物ヘンリー8世役のエリック・バナは少しイケメンすぎる気もしますが
若い頃のヘンリー8世は、長身でスポーツ万能のイケメンだったようなので、案外合っているのかもしれません
ヘンリー8世について、面白い動画があったので載せておきます


怪物ヘンリー8世、誕生秘話 何をどう間違えてああなっちゃった? エリザベス1世のお父さん【英国ぶら歩き】【読む動画 ノーナレーション】Henry VIII Tudor

 

助演俳優も豪華
キャサリン・オブ・アラゴン役の女優もイメージそのものですし
メアリーの最初の旦那は、ベネディクト・カンバーバッチ
当時は気にも留めませんでしたが、今やドクター・ストレンジ役などの有名俳優

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そして2番目の旦那は、エディ・レッドメイン
昔は脇役が多かった印象ですが、今となってはファンタビで大人気
権力争いとは無縁の優しいイメージピッタリです

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振り返ればとっても豪華なキャストです

 

切なくも美しい姉妹愛
ストーリー解説は淡々と説明しているので、人間模様がわかりにくいと思いますが
本当はアンとメアリーの姉妹愛がとっても美しい映画なのです
ふたりはいつも一緒
王を屋敷に迎えるときも、メアリーが王と夜を共にする前も、処刑の前も・・・ふたりは互いに心を開ける良き相談相手でした
それが、一族の権力争いに巻き込まれ、少しずつ運命が狂っていく
憎しみ合いながらも、最後は自分の分身であるお互いを愛するシーンが素敵です

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余談ですが、メアリーが妊娠して隔離される模様は異様です
窓の光は遮断され、真っ暗な妊活の部屋に一人きり・・・
正直、健康に悪そうです
ヘンリー8世の膝下をきつく縛っているアレも
科学や医療が進歩していない時代は、良かれと思って身体に悪いことをしていそうです

 

原作小説の魅力
映画もものすごく魅力的なのですが
原作フィリッパ・グレゴリーの小説の方は、もっと人物や感情の描写が緻密で、とても面白いです
よく文章だけでここまで精巧に描けるなと感動します
色んなキャラの思惑が入り混じり・・・イギリス版大奥、という感じ
ハマって翻訳されているものは全巻(計10冊)読んでしまいました

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ブーリン家の姉妹 1 上 (集英社文庫)

  • 作者: フィリッパ・グレゴリー
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/09/19
  • メディア: 文庫

正直歴史はいろんな解釈があり、完全に正しい・事実とは言い切れないと思います
本作も別の記録とは、時系列や内容が異なる点が多々あります
だから、色んな登場人物の視点で考えると
誰もが敵でも味方でも、悪人でも善人にもなりきらないところが面白いのです

しかし・・・イギリス王朝時代は名前が同じ人が多くて混乱するのも事実
(メアリーの旦那はどっちもウィリアム)
小説も相関図を見ながら読み進めたのを覚えています

 

歴史から読み解く「ブーリン家の姉妹」
ストーリー解説ではさらっと結婚問題と宗教問題について流してますが
世界史的には大事なポイントなのでもう少し詳しく解説します

元々、ヘンリー8世は熱心なカトリック教徒であり、キャサリン・オブ・アラゴンとも愛し合って結婚(政略結婚であれど)したのですが、王妃は元々ヘンリーの兄アーサー王太子の奥さんでした
しかしアーサーは結婚してすぐ15歳の若さで病死、ふたりはローマ教皇特免で結婚するのです
しかし今度は…アンと結婚するため、世継ぎを得るため、解消したい
(この時代では「離婚」ではなく「結婚を無効にする、なかったことにする」という考えでした)
しかし、ローマ教皇キャサリン妃側の立場だったため、断ります
そこでヘンリーは、国王がトップの「英国国教会」を立ち上げてこれを成立させる
そして…世継ぎに恵まれず、愛想を尽かしたアンを、今度は犯罪者にして処刑してしまうのです

この辺のイギリスの歴史をわかりやすく解説してくれている中田敦彦さんの動画(前半部分)も参考までに載せます


【イギリス史②】〜イギリス黄金時代、産業革命…そしてEU離脱の現代へ〜

 

最期の舞台 ロンドン塔
最後に、アンや様々な歴史的人物が幽閉・処刑されたロンドン塔に行った時の写真を
処刑台の下部に「Queen Anne Boleyn 1536」と書かれているのがわかるでしょうか
今では観光地でもありますが、なんだか空気が重たい感じがしました

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BBCドラマの「The Tudors」も
薔薇戦争時代の「The White Queen」も観てみたい
他のイギリス王朝時代の作品も、紹介できればと思います

〜fin〜